素行調査と個人情報保護の関係を探偵が徹底解説

素行調査を依頼する際、調査対象者の個人情報はどこまで探偵に伝えるべきでしょうか。また、調査によって明らかになった個人情報は適切に扱われているのでしょうか。探偵業界では個人情報保護法の遵守が求められていますが、実態はどうなっているのでしょう。本記事では、素行調査と個人情報保護の関係について、探偵の視点から徹底的に解説します。

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株式会社ピ・アイ・オは興信所探偵社として業歴52年に及ぶ経験と全国24都府県の弁護士協同組合特約店指定として永年の実績を持つ興信所探偵社です。多くの弁護士先生方・法人・個人様からのご依頼をお受けし、「まごころの調査」をモットーに様々な問題の解決に向け、当社の機動力・調査力を駆使し、納得の結果を実現してまいります。

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探偵の素行調査と身辺調査を解説

探偵や興信所で使用する用語には、素行調査、身辺調査という類義語があります。
まずは、その言葉の違いについて、一般的な認識と業界内での定義を説明します。

素行調査とは

素行調査は、調査対象者の行動を調査するものです。
対象者が、いつ誰と居たか、どこに行ったか、何をしていたかなど、その行動の詳細を調べます。
探偵の依頼で多い浮気調査も、この素行調査の一種です。

素行調査の事例

浮気調査以外には、次のような目的の調査事例があります。

  • 離れて暮らす家族の生活調査
  • 単身赴任の夫(妻)の生活調査
  • 夫がギャンブルをしていないか
  • 子供が非行に走っていないか
  • 息子(娘)の婚約者の素行調査
  • 採用予定者の経歴や身元調査
  • 従業員の行動調査

このように、個人の身内に関する調査から企業関連の調査まで、幅広い目的で行われます。

素行調査は、対象者の日常生活における行動パターンや交友関係、趣味嗜好などを明らかにすることで、その人物の人となりを把握することができます。また、違法行為や不適切な行動の有無を確認することも可能です。素行調査の結果は、依頼者の意思決定に大きな影響を与えるため、探偵には高い調査能力と倫理観が求められます。

身辺調査とは

身辺調査は、対象者の素行や行状だけでなく、経歴・履歴や関係のあった人物(個人、組織など)までを幅広く調べる調査です。日常生活から経済状況まで、個人の身辺に関わる情報を網羅的に収集します。

身辺調査の事例

身辺調査は以下のような目的で行われます。

  • 採用調査
    企業が採用候補者の経歴や信頼性を確認するために行う調査です。学歴・職歴の真偽などを調べます。
  • 結婚調査
    結婚相手やその家族の背景を確認するための調査です。離婚歴や借金の有無、家族関係などを調べることで、結婚相手の適性を判断します。
  • 浮気調査
    配偶者や恋人の不貞行為を確認するための調査で、行動を追跡し、浮気の証拠を収集します。
  • ストーカー調査
    迷惑行為を行う人物を特定し、証拠を収集する調査です。ストーカー行為の実態を明らかにし、法的措置のための材料を揃えることが目的です。
  • 反社会的勢力関与調査
    企業や個人の反社会的勢力との関連を調べる調査です。ビジネスリスクの軽減を目的として行われます。
  • 所在調査(人探し)
    行方不明者や特定の人物の居場所を突き止める調査です。

身辺調査の種類は依頼者のニーズに応じて多岐にわたります。個人の場合は結婚や浮気に関する調査が多く、企業の場合は採用や取引先の信用調査が中心です。いずれの場合も、対象者の信頼性や背景を確認し、トラブルを未然に防ぐことが目的です。

例えば、一般的な企業の人事部は、応募者の経歴詐称を見抜くために身辺調査を実施することがあります。履歴書の内容を基に、経歴や前職の勤怠状況、退職理由、性格、健康状態などを調べます。多くの場合、企業は調査会社に依頼して身辺調査を行います。特に役員などの重要ポストの採用時は、反社会的勢力とのつながりも含めて綿密に調査されます。

しかし、法律上、企業が採用時に身辺調査を行うことは明示的に認められているわけではありません。個人情報保護法により、採用候補者の同意なく身辺調査を行うことは制限されています。また、プライバシー侵害や名誉毀損の可能性があるため、労働行政は採用選考時に本人に責任のない事項の把握は就職差別につながる恐れがあるとしています。

企業による身辺調査は本人の同意が必要

企業が身辺調査を実施する際は、事前に本人の同意を得る必要があります。

個人情報保護法により、企業が採用活動で個人情報を取得する際は、その利用目的を本人に通知しなければなりません。特に、以下のような「要配慮個人情報」を取得する場合は、あらかじめ本人の同意が必要とされています。

  • 人種、信条、社会的身分
  • 病歴、犯罪の経歴、犯罪により被害を被った事実
  • 身体障害・知的障害・精神障害などの障害があること

無断で身辺調査を行うと、個人情報保護法に抵触するリスクがあります。身辺調査の実施にあたっては、個人情報保護法をはじめとする法規制を遵守し、プライバシーに配慮することが重要です。

また、厚生労働省の指針でも、本人の同意なく社会的差別の原因となる恐れのある個人情報を収集することは認められていません。

そのため企業が身辺調査を実施する際は、事前に候補者に対して調査の目的を説明し、同意を得ることが法的に求められています。

素行調査と身辺調査の違い

素行調査が主に対象者の最近の素行を調べるものとすれば、身辺調査は対象者の現在から過去の出来事までを調べる人物調査になります。そのため、身辺調査は調査範囲が広く調査の難易度が高くなります。

素行調査・身辺調査の相場

素行調査・身辺調査の平均費用は、約21万4283円です。

具体的な価格帯としては、以下のような割合になっています。

  • 10万円台:24%
  • 20万円台:22%
  • 10万円未満:18%

調査内容による費用の違い

調査内容によって、必要な調査期間や調査員の人数が変わるため、費用にも差が出ます。

  • 簡易的な調査:10万円未満〜20万円程度
  • 詳細な調査や裁判対応の証拠収集:30万円〜50万円以上

素行調査の依頼ケース

主に、尾行・張り込みの行動調査が必要とされるケースは、調査対象者の秘密行動や不正行動の真相を突き止める場面です。

保険調査

損害保険や傷害保険の調査では、保険受給者が申告通りの傷病であるのかどうかを確認するために、尾行・張り込みの行動確認調査が有効となります。負傷により労災保険や傷病保険を受けているケースで、行動調査から保険金の不正受給の決定的な証拠を押さえることができます。

社員の不正調査

不正行動が疑われる社員の行動確認では、尾行・張り込みの行動調査が威力を発揮します。情報漏洩や贈収賄、不正なキックバックの受け取りなどで、同業他社や接触が禁止される人物との接触の現場証拠を押さえることも可能です。

浮気調査

配偶者の浮気は、民法上の不法行為に該当する可能性があります。そのため、浮気の事実を公言する人はほとんどいません。浮気の事実をつきとめるためにも、尾行・張り込みの行動確認調査が有効です。

個人情報保護法との関係

2005年(平成17年)4月1日に「個人情報保護法」が全面施行されました。
また、2007年6月に施行された「探偵業法」により、探偵による個人情報の取り扱いが規定されています。

【探偵業法】

探偵業法は、それまで法的な規制がなかった探偵業界において、依頼者とのトラブルや違法な調査などの問題に対処するために制定されました。探偵業を行う場合、営業所所在地を管轄する公安委員会への届出が必要となっており、営業所やWebサイトには、探偵業の標識を掲示することが義務付けられています。

探偵業法と個人情報

「探偵業の業務の適正化に関する法律」(探偵業法)では、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の適正を図り、個人の権利利益の保護をすることを目的としています。

探偵業法では、探偵業者に対して以下のような義務を課すことで、個人情報の適切な取り扱いを求めています。

  • 契約時に重要事項を記載した書面を交付し、説明する義務
  • 契約内容を明らかにする書面(探偵業務委任契約書)を交付する義務
  • 調査の結果が違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない
  • 探偵業者およびその従業者には守秘義務が課せられ、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らしてはならない

これらの規定により、探偵業者による個人情報の不適切な収集や利用を防止し、依頼者や調査対象者のプライバシーを保護することが目的とされています。

探偵が扱う個人情報

探偵業法第11条では、探偵業者等の守秘義務が定められており、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らしてはならないとされています。ただし、依頼者情報や調査で得た情報の秘密厳守や適正管理について直接的な規定はありません。

探偵業者も個人情報取扱事業者として、個人情報保護法の規制対象となります。個人情報保護法では、個人情報の適正な取得(第20条)と安全管理措置(第23条)が義務付けられています。探偵業者は、これらの法律上の義務を遵守し、個人情報を適切に取り扱う必要があります。

探偵が行う身元調査では、会社採用対象者の身辺調査、結婚前の相手方の素行や人柄、商取引の契約相手方についての債務状況、過去のトラブル有無などを尾行や聞き込みにより調査します。これらの調査では、経歴や学歴に偽り、前会社での仕事ぶりに問題、ギャンブル癖、暴力癖や二股交際、人物の前科、世間の評判など対象者のプライバシーに関する内容が多くを占めます。

また、浮気相手の素性(住所、氏名や妻子の有無)や遺産相続に関して被相続人の行方、家出人の所在調査など、個人情報を直接調査する案件では、調査方法や結果の取扱いについて慎重な対応が求められます。

個人情報保護法では、要配慮個人情報(犯歴、病歴、人種、国籍、信条など)の取得や第三者提供には本人の同意が必要とされています(第20条第2項、第27条第2項)。ただし、本人の同意がある場合や法令に基づく場合などは、取得や第三者提供が認められています。探偵業務においても、要配慮個人情報を不当な差別につながるような形で調査することは避けるべきですが、一律に調査ができないわけではなく、個別の事案に応じて適切に判断する必要があります。

探偵業者は、探偵業法と個人情報保護法に定められた内容に従い、合法的に素行調査や身辺調査を行い、情報を管理します。

個人情報保護法に反する調査の事例

個人情報保護法では、個人情報の利用目的を特定し、目的外利用を禁止しています。また、不適切な利用や不正な取得も禁止されています。探偵や興信所が行う調査においても、これらの規定に反するような個人情報の取扱いは認められません。

具体的には以下のような調査が個人情報保護法違反に該当すると考えられます。

利用目的が不明確・広範な調査

  • 「お客様のニーズに合わせて柔軟に対応するため」といった抽象的な利用目的のみを掲げ、実際にはどのような調査に使うのか特定していない
  • 「事件解決のため」といった包括的な目的で、必要以上に広範な個人情報を収集する

目的外利用・同意のない第三者提供を伴う調査

  • 浮気調査のために集めた情報を、依頼者の同意なく債務者の所在確認に流用する
  • 依頼者から聞いた家族の個人情報を、本人に無断で第三者に提供し、勤務先などの聞き取り調査を行う

違法・不当な行為を助長する調査

  • ストーカー行為の一環として、対象者の行動を詳細に監視し、情報を依頼者に提供する
  • 特定の民族や信条を持つ者のリストを作成し、差別的な選別に利用されるおそれがある

不正な手段による個人情報の取得

  • 虚偽の身分を語って、対象者の友人や勤務先から個人情報を聞き出す
  • 違法な手段で入手した個人情報(盗難情報など)を調査に使う

このように、探偵業務においても個人情報保護法の基本ルールに則り、適切に個人情報を取り扱う必要があります。安易な目的外利用や過剰な情報収集は避け、違法行為に加担したり助長したりしないよう細心の注意が求められます。

まとめ

個人の素行を調べる調査では、対象者の交友関係や近隣住民の評判などから情報を聞き出し、人間性などを調べることができます。
しかし、浮気相手に関する個人情報に関わる調査などで、違法となる手段を使用する業者も存在します。そのため、依頼先を選ぶ際は、信頼できるかどうかを見極めることが大切です。

PIO探偵事務所は弁護士協同組合特約店の探偵興信所として、年間12,000件の探偵業務を行っています。ご相談や費用のお見積りは無料です。不安やお悩みはメールやお電話でも承ります。ぜひお気軽にご相談ください。

専門家監修

この記事の著者:探偵社PIO 調査員 Y.K

調査歴10年。
年間200件以上もの調査を行う。

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探偵社PIO編集部監修

本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。

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