浮気している夫から「離婚したい」と言われたときの対処方法【元弁護士が解説】
夫が浮気しているにもかかわらず、開き直られて「離婚したい」と言われた
そんなとき、どうすれば良いのでしょうか?
小さい子どもがいる方などは浮気されてもすぐに離婚できないケースが多いでしょう。経済的な問題も重大です。「戻ってきてほしい」と希望する方が少なくありません。
浮気している夫から離婚を請求されても応じる必要はないので、まずは安心してください。
今回は、浮気・不倫している夫から「離婚したい」と言われたときの対処方法を解説します。
浮気・素行調査をお考えの方はPIO探偵事務所へご相談ください
株式会社ピ・アイ・オは興信所探偵社として業歴52年に及ぶ経験と全国24都府県の弁護士協同組合特約店指定として永年の実績を持つ興信所探偵社です。多くの弁護士先生方・法人・個人様からのご依頼をお受けし、「まごころの調査」をモットーに様々な問題の解決に向け、当社の機動力・調査力を駆使し、納得の結果を実現してまいります。
契約以外の経費の水増しや追加料金は一切いただきません。
相談・お見積りは完全無料です。まずはお気軽に興信所探偵社PIOまでご相談下さい。
目次
浮気している夫が離婚したいと言ってくる理由
夫が浮気・不倫していると、「離婚してくれ」と言ってくるケースがよくあります。妻が理由を尋ねると、不倫のことは話さず「君のことは始めから嫌いだった」「ずっと我慢していた」などとうそぶく人もいます。
それまで夫婦関係や家族関係に特に問題がなかったのに、ある日突然離婚を突きつけられると、妻としては混乱してしまうでしょう。
不倫している夫が離婚を請求してくるのは、たいてい不倫相手と再婚したいからです。
中には不倫相手が妊娠してしまい、「一刻も早く離婚して籍を入れたい」と考えているケースもあります。そんなとき、離婚に応じてしまったら相手の「思うつぼ」となるでしょう。
夫が突然離婚請求してきたら、裏に不倫相手の存在が隠れている可能性があるので注意してください。
同意しなければ協議離婚は成立しない
不倫している夫から離婚を突きつけられ、離婚したくないなら妻としてはどう対応すれば良いのでしょうか?
この場合、「離婚に応じないこと」が最重要です。
日本で離婚するには3つの方法があり、まずは「夫婦で話し合って解決すべき」という制度になっています。夫が離婚したくても、いきなり裁判(離婚訴訟)はできません。
話し合いで離婚する方法を「協議離婚」といいます。協議離婚を成立させるには、夫婦双方が「離婚に合意」しなければなりません。相手がいくら離婚を求めても、こちらが離婚に応じなかったら協議離婚は成立しないのです。
夫が強い勢いで離婚を求めてきても、断り続けている限り強制的に離婚される可能性はありません。
調停を申し立てられても拒絶する
夫からの離婚請求を拒否し続けていると、夫が家庭裁判所で「離婚調停」を申し立ててくる可能性があります。
調停になると、家庭裁判所から呼出状が届き、裁判所で夫と話し合うことになります。
一般に「調停になったら離婚させられるのでは?」と不安を感じる方もおられますが、その心配も不要です。離婚調停も協議離婚と同様「あくまで当事者同士の話し合いによって解決する方法」だからです。
夫婦の双方が離婚に合意しない限り、離婚は成立しません。夫が強硬に離婚を求めても、妻が離婚を受け入れない限り調停で強制的に離婚させられる可能性は無いのです。
また離婚調停では調停委員が間に入って夫婦の話し合いを調整してくれます。
「夫が不倫していてこちらは離婚したくないので、応じません」と言えば、調停委員も味方をしてくれるでしょう。反対に、夫の方へ離婚を思いとどまるように説得してくれる可能性もあります。
ただし調停委員を味方に引き入れるには「夫の不倫の証拠」が必要なので、事前に用意しておきましょう。
離婚訴訟を起こされても浮気した夫の主張は認められない
調停で離婚を拒絶していると、離婚調停は「不成立」となって終了します。すると、夫が「離婚訴訟」を提起してくる可能性も考えられます。
離婚訴訟とは、離婚するための裁判です。裁判は話し合いの手続きではありません。裁判官が「離婚すべきかどうか」を判断して判決を下します。
離婚判決が出ると、当事者が望まなくても離婚させられてしまいます。
そうだとすると、「不倫した夫から離婚請求されたら『離婚判決』が出てしまうのか?」と心配する方もいるでしょう。
その点については安心してください。法律上「不倫した人からの離婚請求」は認められないことになっているからです。
不倫した人を「有責配偶者」といいます。有責配偶者とは「自分で離婚原因を作った責任のある配偶者」です。有責配偶者でありながら相手が拒否しているのに無理矢理離婚を進めるのはあまりに身勝手といえます。
そこで裁判所は、有責配偶者からの離婚請求を原則的に認めていません。有責配偶者からの離婚請求が認められるには、10年以上の別居期間など厳しい条件が必要となってきます。
不倫した夫が調停後に離婚訴訟を提起しても、まず離婚判決は出ません。
ただし訴訟で夫からの請求を排斥するには、やはり「不倫の証拠」が必要です。証拠がないと、相手が有責配偶者であることがわからないので、裁判所は離婚判決を出してしまうかもしれないからです。不倫した夫が離婚を求めてきたときには、証拠集めが非常に重要となります。
夫が家出した場合の対処方法
不倫した夫から離婚を請求されて拒絶していると、夫が「家出」してしまうケースが少なくありません。よくあるのは不倫相手と同棲したり近くに賃貸物件を借りたりするパターンです。さらに夫が生活費を払わなくなるケースも多々あります。
この場合、以下のように対応しましょう。
居場所を確認し、生活費を請求する
まずは夫に対し、どこにいるのか居場所を知らせるように連絡しましょう。メールやLINEで連絡をとってみるようお勧めします。GPSなどでわかるようであれば、こちらで調べてしまいましょう。
また生活費が払われていないなら、支払を要求してください。夫婦にはお互いに「生活保持義務」という扶養義務があります。夫がはたらいていて妻より収入が高いなら、妻は夫へ生活費を請求できます。夫婦の生活費を「婚姻費用」といいます。
婚姻費用を払わないなら家庭裁判所で「婚姻費用分担調停」という調停を申し立てれば最終的に強制的に払わせることもできるので、まずは夫へ任意の支払を求めると良いでしょう。
居場所を調べる
夫に居場所を尋ねても返答がない場合、こちらで調査して明らかにする必要があります。居住場所がわからないと、調停の申し立てもできません。
夫の勤務先がわかっているなら、仕事後に勤務先から跡をつけていくと居所が判明する可能性があります。夫の交通ICカードの利用履歴から「あたり」をつけることも可能です。
自分で跡をつけるのが困難な場合には、探偵事務所へ任せましょう。プロであれば、相手から見つからずにうまく尾行して現在の居所を突き止められる可能性が高くなります。
また住民票を異動している場合には、住民票を取得すれば次の住所が載っているのでわかります。まずは自分で住民票を取得して、それでも判明しなければ尾行調査をするのが良いでしょう。
婚姻費用分担調停を申し立てる
夫の居場所がわかったら、家庭裁判所で「婚姻費用分担調停」を申し立てましょう。調停では、生活費の支払いについて取り決められます。家庭裁判所で婚姻費用を決めるときには、こちらの算定表の金額が採用されるのが一般的です。
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html
相手がどうしても支払に応じない場合には、「審判」という手続きになって裁判所が婚姻費用の金額を決め、相手に支払い命令を出してくれます。夫が裁判所の命令に従わないときには、給料や預金の差押えも可能です。
いったん婚姻費用の金額が決まったら、その後夫が戻ってくるか離婚するまで支払い義務が続きます。相手が支払をしたくなければ家に戻るしかなくなり、プレッシャーをかける効果もあるのでぜひ調停を上手に利用してみてください。
離婚させられないための注意点
不倫した夫が離婚を望んでいるとき、無理に離婚させられないために以下の点に注意して見てください。
脅迫される、暴行を振るわれる場合の対処方法
夫から離婚したいと言われて妻が拒絶すると、夫が脅迫したり暴力を振るったりするケースが少なくありません。子どもに冷たい態度をとったり大声で怒鳴ったりする人もいます。
身に危険を感じるなら、自分から別居して距離を置きましょう。別居後、夫には婚姻費用の支払い義務があるので、支払ってくれないなら婚姻費用分担調停を申し立てて支払わせることも可能です。
有利に交渉するには証拠が必要
不倫している夫から離婚を請求されたとき、妻が不利にならないためには「夫の不倫の証拠」が必要です。
調停で調停委員に味方してもらうにも不倫の証拠がないと説得力がありません。
裁判になったとき、不倫の証拠がないと夫が「有責配偶者」であることを証明できず、離婚判決が出てしまう可能性があります。
将来離婚したいと考えるようになったとき、不倫の証拠がなかったら慰謝料も請求できません。
夫が不倫していると感じたら、しっかり証拠集めをしましょう。不倫の証拠を集める際には「夫と不倫相手の肉体関係」を証明できるかが重要です。法律上「不貞」というには「男女の肉体関係」が必要だからです。肉体関係を証明できなければ、「有責配偶者」とはいえず離婚が認められてしまう可能性があります。
以下のようなものをできるだけたくさん集めましょう。
- 性行為しているときの画像や動画
- ホテルや旅館の領収証
- LINEのメッセージやメール(一緒に旅行に行ったことがわかるもの、同棲していることや相手の家に泊まったことがわかるものなど)
- クレジットカードの明細書
- 交通ICカードの利用履歴
- 電話の通話履歴
どうしても自分1人の力では証拠を集められないときには、探偵事務所に依頼しましょう。プロの探偵が尾行して相手の家に一晩泊まった事実やホテルに入ったところ、同棲している事実などが発覚すると、動かぬ証拠をつかめます。
探偵事務所は調査後「調査報告書」を作成します。調査報告書は、裁判でも使える不倫の証拠です。確実に不倫現場をおさえた調査報告書があれば、有利に調停や訴訟を進められるので、困ったときにはぜひ、探偵事務所を利用してみてください。
離婚届不受理願いを提出する
夫が離婚を望んでいるとき、勝手に離婚届を提出されないように注意が必要です。予防策として、役所へ「離婚届不受理願い」を提出しておきましょう。これを出していると、申出人の意思確認が取れない限り役所は離婚届を受理しなくなります。これで夫からの勝手な離婚届提出を防ぎ、妻の立場を守れます。
まとめ
不倫した夫から離婚請求されても、無理に離婚させられるわけではないので、慌てず落ち着いて対応しましょう。無理に離婚させられる心配はありません。
ただし離婚を拒絶するには、不倫の証拠が必要です。自分で集めるのに限界を感じたら、浮気調査を得意とする探偵事務所に相談してみてください。
執筆者プロフィール
福谷陽子
法律ライター 元弁護士
弁護士としての経験は約10年。その経験をもとに、ライターへ転身後は法律や不動産関係の記事を積極的に執筆している。
弁護士時代は中小企業の顧問業、離婚や不倫など男女関係案件の取扱いが多く、浮気調査や探偵事務所の実情にも詳しい。
記事の作成だけではなく、編集やサイト設計、ディレクションやウェブコンテンツを利用したマーケティングのアドバイスなど、活動の幅を広げている。
運営サイト(元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog)
https://legalharuka.com/433
運営youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC-vYz7An9GHWXsXjWKbmRdw
探偵社PIO編集部監修
本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。