夫婦間の信用調査で明らかにする!配偶者の借金問題とその解決策を徹底解説
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目次
探偵が行う信用調査とは
まずは、信用調査についてお話しします。信用調査とは、探偵・興信所などが行う、信用度(経済的・性格・環境・経歴など)に関する情報調査をいいます。信用調査は、主に金銭取引等の相手への弁済能力確認のために行われるものであり、相手の信用性を評価するための重要な手段です。この記事では、探偵がどのように信用調査を実施し、その情報がどのように利用されるのかについて詳しく説明します。
信用調査の目的
信用調査は、個人や企業の信頼性を評価するために行われ、多くの場面で活用されています。以下に、信用調査が具体的にどのような目的で行われるのかを紹介します。
お金を貸す際の保全のため
信用調査は、貸金業者や個人が貸付を行う際に、相手の返済能力を確認するために行われます。これにより、貸倒れリスクを減少させることができます。特に、大口の融資や長期の貸付の場合、相手の経済状況を詳細に把握することが重要です。
結婚前に相手の状態を把握するため
結婚は人生の大きな決断です。そのため、相手の経済状況や過去の信用情報を知ることで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。例えば、配偶者が過去に借金を抱えていたり、支払い遅延が頻繁にあったりする場合、それを事前に知ることで結婚後の問題を回避することができます。
会社に社員として採用する際の判断材料として
新しい社員を採用する際に、その人物の信用状況を確認することで、企業の安全性を保つことができます。特に、財務担当者や重要なポジションに就く社員の場合、その信頼性は企業の運営に直結するため、信用調査は不可欠です。
共同事業をはじめる相手の事前情報として
ビジネスパートナーとの信用関係を築くために、相手の経済状況や過去の業績を確認することが重要です。信用調査を通じて、パートナーシップのリスクを低減し、成功するビジネス関係を築くことができます。
信用調査の種類
信用調査は大きく、金銭的な信用調査、または人間的な信用に関わる調査に分けられます。その種類は、以下のようになります。
法人信用調査
・人的調査
相手本人・経営者、従業員、労使関係などに関する調査。
・物的調査
外部要素としての所属業界調査および内部要素としての企業の沿革、資本、設備、生産・仕入れ・販売状況などの調査。
・経理面調査
収益状態、財政状態、資金繰りなどの財務分析。
個人信用調査
・人的調査
本人の仕事内容、経歴、周囲の風評・家族・親類に関する調査。
・物的調査
本人の家族の仕事内容・家族経歴・自宅等の財産状況。
・経理面調査
個人資産・財産、借財、収入、生活水準等の確認。
信用情報開示制度
個人の金銭的な信用に関する(ローンやクレジットの契約内容や支払状況等)情報は、本人が登録している信用情報機関で確認することができます。信用情報を本人以外が無断で問い合わせることはできません。あくまで、信用情報の開示請求ができるのは本人のみで、いくら夫婦であっても信用情報を勝手に確認することはできません。
確認できる信用情報
・ 氏名、生年月日、電話番号などの個人を特定する情報。
・ クレジットやローンなどの個人のお取引きに関する情報(利用金額、残高など)。
・ 取引きから発生する情報(支払遅延、法的手続きの有無など)。
信用情報を管理している機関
・ 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・ 日本信用情報機構(JICC)
・ 全国銀行個人信用情報センター(JBA)
金融機関やクレジットカード会社は、この信用情報機関に加盟しており、銀行での取引やカードの利用履歴などの情報は、それぞれの機関へと集積される仕組みとなっています。
探偵が行う信用調査の重要性
探偵による信用調査は、個人や企業が持つリスクを最小限に抑えるための重要な手段です。調査を通じて得られた情報は、信頼性の高い判断材料となり、将来的な問題を未然に防ぐことができます。
信用調査は、単に相手の経済状況を知るだけでなく、その人の信頼性や過去の行動パターンを理解するための重要なツールです。これにより、結婚前の不安を解消したり、ビジネスパートナーシップを強化したりすることが可能です。
家族の借金返済義務について
もし、信用調査の結果、夫が借金をしていることが判明した場合、その家族に返済義務はあるのでしょうか?原則、家族が本人の借金を肩代わりする必要はありません。カードローンやクレジットカードでの借金はもちろん、住宅ローンのような借金でも、家族が代わりに支払う義務はありません。もし、家族であることを理由に借金の返済を求められても、従う必要はありません。貸金業法では、貸金業者が本人以外の者に請求することを禁止しています。このような請求をされた場合には、請求側に刑事罰が科せられるため、警察に被害届を出すべきです。しかし、例外的に借金を肩代わりしなければならないケースもあります。
家族が保証人になっていた場合
連帯保証人の役割と責任
原則として、本人が作った借金を家族が返済する義務はありませんが、家族が借金の連帯保証人になっていた場合は別です。連帯保証人は、借主が借金を返済できなくなった場合に、借主の代わりに借金を返済する義務を負います。貸主の金融機関は、借主である本人と連帯保証人のどちらにも借金返済の請求が可能となります。借主本人に請求せず、連帯保証人に借金の返済請求があったとしても、連帯保証人はそれを拒否することはできません。
法的措置が取られた場合の影響
借主本人が、任意整理、個人再生、自己破産などの法的措置をとったとしても、連帯保証人の負っている返済義務が消滅することはありません。金融機関は、連帯保証人に対して借金の一括返済を求めてくる可能性があります。
本人が亡くなった場合
相続による借金の引き継ぎ
家族が亡くなると「相続」が発生します。相続とは、亡くなった人の財産を受け継ぐものですが、財産を受け継ぐ場合、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も受け継ぐ必要があります。つまり、借金があった場合には、借金の返済義務も相続することになります。
相続放棄する
もし、亡くなった家族の借金を相続したくない場合は、「相続放棄」または、「限定承認」のいずれかの方法をとる必要があります。これらの手続き期限は、自分が相続人だと知った日から3ヶ月以内となっています。
相続放棄の手続き
相続放棄をしたい場合は、家庭裁判所に相続放棄申述書の提出を行います。ただし、相続を放棄する場合、注意点があります。相続放棄をした場合、全ての遺産が相続できなくなります。一度、相続を放棄し認められた場合は、相続放棄を撤回することはできません。相続放棄をする場合は、まず相続するプラスの財産とマイナスの財産の内容をしっかりと把握することが重要です。
限定承認
限定承認のメリット
プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いのか分からない、財産を相続した後に借金があることが分かった場合などは、「限定承認」の手続きを行います。限定承認した場合、マイナスの財産がプラスの財産を上回ったときは、その超過部分は相続しなくても済むというものです。
限定承認の手続き
限定承認を行うには、相続人全員の同意が必要となります。一人でも限定承認に反対の場合は、手続きは行えませんので相続人同士での話し合いが必要となります。限定承認は、手続きが複雑なため、申立てをしてから手続き終了までに1年から2年ほど掛かることもあります。
限定承認の流れ
限定承認は、相続財産の中に負債が含まれている場合に、その負債を一定範囲内で引き受ける手続きです。以下では、その詳細な手順を説明します。
1. 相続財産・負債の調査
最初に行うべきは、被相続人(亡くなった方)の財産と負債の全貌を正確に把握することです。これには、不動産、預貯金、有価証券などのプラスの財産だけでなく、ローンや借金などのマイナスの財産も含まれます。弁護士や税理士などの専門家の協力を得て、詳細な調査を行い、全ての財産と負債のリストを作成します。
2. 限定承認の熟慮期間の延長
相続人が限定承認を行うかどうかを決めるための熟慮期間は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内とされています。しかし、この期間内に全ての財産と負債を把握することが難しい場合は、家庭裁判所に熟慮期間の延長を申立てることが可能です。延長申立てが認められれば、追加の時間を得て、より慎重に判断することができます。
3. 相続人全員に連絡
限定承認を行うためには、全ての相続人の同意が必要です。そのため、まず相続人全員に連絡を取り、限定承認の意思を確認します。相続人間で意見が一致しない場合は、話し合いを重ねて合意を得るよう努めます。
4. 申述書と相続財産目録の作成
限定承認の手続きを進めるためには、家庭裁判所に提出するための書類を作成する必要があります。具体的には、限定承認申述書と相続財産目録を準備します。相続財産目録には、全ての財産と負債の詳細を記載し、正確に評価を行います。
5. 限定承認の申述
必要な書類が整ったら、家庭裁判所に対して限定承認の申述を行います。この申述は、書類の提出と共に行われます。家庭裁判所は、提出された書類を基に審査を行い、申述が適法であると認められれば、限定承認が受理されます。
6. 限定承認申述受理の審判
家庭裁判所が限定承認の申述を受理すると、審判が行われます。審判では、相続人の申述が適法であるかどうか、相続財産目録が正確かどうかなどが確認されます。審判の結果、限定承認が正式に認められます。
7. 相続財産管理人の選任
限定承認が認められた場合、家庭裁判所は相続財産管理人を選任します。相続財産管理人は、相続財産を管理し、債権者への弁済や相続財産の分配を行う責任を負います。通常、弁護士が選任されることが多いです。
8. 債権申出の公告・催告
相続財産管理人は、相続財産に対する債権者に対して、債権の申出を促す公告を行います。公告は官報などの公的な媒体で行われ、一定期間内に債権者が債権の申出を行うことを求めます。この期間を経過すると、申出を行わなかった債権者は、相続財産からの弁済を受ける権利を失います。
9. 鑑定人選任の申立
相続財産の評価が必要な場合、家庭裁判所に対して鑑定人の選任を申立てます。鑑定人は、相続財産の適正な評価を行い、財産の実際の価値を明確にします。この評価に基づいて、相続財産の管理・処分が行われます。
10. 請求申出を行った相続債権者・受遺者への弁済
債権申出を行った債権者や受遺者に対して、相続財産管理人が弁済を行います。弁済の方法や順序は、法律に基づき、公平に行われます。債権者全員に対して、相続財産の範囲内で債務の支払いが行われます。
11. 残余財産の処理等
債務の弁済が完了した後、残余財産があれば、それを相続人に分配します。相続財産管理人は、全ての手続きが終了した時点で、家庭裁判所に報告書を提出し、管理業務を終了します。
以上の手続きにより、相続人は限定承認を通じて、負債を一定範囲内で引き受けつつ、相続財産の適正な管理と処分を行うことができます。手続きが複雑で時間がかかる場合があるため、専門家のサポートを受けることが推奨されます。
借金への対処方法
債務整理の選択肢
もし、借金額が大きすぎて返済が不可能な場合、専門家に依頼して債務整理を検討する必要があります。債務整理手続きは、任意整理であれば業者との交渉、自己破産や個人再生であれば、裁判所への申立てを行います。これらは専門的な知識を必要とするため、弁護士への相談を検討しましょう。
任意整理
任意整理とは、債務者と債権者との間で返済条件の再設定を行う手続きです。この手続きは、法律に基づき行われるため、債権者との話し合いによって解決を目指します。主な手順としては、現在の負債額の確認、返済計画の作成、債権者との交渉、そして新しい返済スケジュールの設定があります。任意整理のメリットは、裁判所を通さずに手続きを行うため、比較的迅速に解決できる点にあります。しかし、任意整理を行う際には、弁護士などの専門家のサポートを受けることが推奨されます。
自己破産
自己破産とは、裁判所に申立てを行い、すべての債務を免除してもらう手続きです。自己破産が認められるためには、「支払不能」と判断される必要があります。支払不能とは、現在の収入や資産では債務を返済することが不可能な状態を指します。自己破産の手続きが完了すると、税金など一部の債務を除き、すべての債務が免除されます。自己破産のメリットは、大きな債務から解放される点にありますが、一方で信用情報に大きな影響を及ぼし、今後の借入れが難しくなることがあります。
個人再生
個人再生とは、裁判所に申立てを行い、借金額を大幅に減額した上で、原則として3年間(最長5年間)で返済していく方法です。個人再生は、主に住宅ローンなどの大きな債務を抱えた個人に適しており、住宅を維持しながら債務を整理することが可能です。個人再生の手続きは、まず債務の総額を確定し、再生計画を作成して裁判所に提出します。その後、裁判所の認可を受けて新しい返済スケジュールに従って債務を返済します。個人再生のメリットは、大幅な債務減額が可能である点にありますが、手続きには専門的な知識が必要となるため、弁護士のサポートを受けることが推奨されます。
借金問題解決のための専門家の役割
借金問題を解決するためには、専門家の助けを借りることが非常に重要です。弁護士や司法書士などの専門家は、法的な手続きに精通しており、債務者に最適な解決策を提供することができます。また、専門家は債権者との交渉を代行し、返済条件の再設定や債務の減額を目指して活動します。借金問題に直面した場合、早期に専門家に相談することで、適切な対策を講じることができ、問題の早期解決が期待できます。
家族の借金に対処するための心構え
コミュニケーションの重要性
家族の借金問題に対処するためには、オープンなコミュニケーションが不可欠です。家族全員が問題を理解し、協力して解決に向かう姿勢が求められます。問題を隠すことなく、正直に話し合うことで、より効果的な対策を講じることができます。
ストレス管理
借金問題は大きなストレスを引き起こす可能性があります。そのため、適切なストレス管理も重要です。心理的なサポートを受けるために、カウンセリングを利用することも一つの方法です。また、家族全員が健康的な生活習慣を維持することも、精神的な安定を保つために重要です。
適切な対策を講じ、専門家のサポートを受けることで、借金問題を円滑に解決することが可能です。家族全員が協力し、オープンなコミュニケーションを保ちながら、健康的な生活習慣を維持することで、より良い未来を築くことができるでしょう。
まとめ
もし、配偶者が借金をしていた場合、今後の夫婦生活を続けるためには、その借金の理由を確認することが重要です。借金の背後にはストレスや不満の発散が原因であることが多く、これらを解決しなければ再発する恐れがあります。仕事や家庭内の問題が原因であれば、環境の改善やオープンなコミュニケーションが必要です。また、ギャンブル依存症や買い物依存症などが疑われる場合は、専門的な治療が不可欠です。
根本原因を取り除くためには、夫婦が協力して問題解決に取り組むことが重要です。家計の見直しやストレス管理、定期的なコミュニケーションを通じて、健全で安定した生活を築くことができます。借金問題を総合的に捉え、夫婦が協力して対応することで、再発を防ぎ、問題を乗り越えることができるでしょう。
この記事の著者:探偵社PIO 調査員 Y.K
調査歴10年。
年間200件以上もの調査を行う。
関連タグ: 信用調査
探偵社PIO編集部監修
本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。