怪文書に対する警察の対応は?もし届いても焦らずに対策しよう
意味深な一言だけが書かれている、あることないことが書かれているなど怪文書の内容はさまざまです。しかしどのような内容であっても、誰が送ってきたのかわからない不気味さ、今後さらに起こり得る嫌がらせへの恐怖を感じるでしょう。一般的には「困りごとがあれば警察に相談する」というイメージが強いかもしれません。中には「警察に相談すればすぐに助けてくれる」と、警察のことを正義のヒーローのように考えている人もいるかもしれません。
怪文書に対して警察はどのように対応するのでしょうか。この記事で詳しく解説していきます。怪文書が届いた直後の正しい対応についても解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
浮気・素行調査をお考えの方はPIO探偵事務所へご相談ください
株式会社ピ・アイ・オは興信所探偵社として業歴52年に及ぶ経験と全国24都府県の弁護士協同組合特約店指定として永年の実績を持つ興信所探偵社です。多くの弁護士先生方・法人・個人様からのご依頼をお受けし、「まごころの調査」をモットーに様々な問題の解決に向け、当社の機動力・調査力を駆使し、納得の結果を実現してまいります。
契約以外の経費の水増しや追加料金は一切いただきません。
相談・お見積りは完全無料です。まずはお気軽に興信所探偵社PIOまでご相談下さい。
目次
怪文書に対する警察の対応
怪文書の内容によって警察の対応は変わってくるようです。書かれている内容が明らかに「脅迫」であった場合、またストーカー(付き纏い)によるものだとわかれば、警察も捜査してくれます。しかし、事件性が低いと考えられるもの、一個人に対する単なる嫌がらせに対しては、警察が積極的に対応することはあまりありません。
それでも長い期間嫌がらせが続いたり、文書の量が増えてくれば、犯罪に該当する可能性があります。犯人が特定できて証拠も揃っていれば、警察に突き出し、その犯人を罪に問うことができるでしょう。どのような罪に問われる可能性があるのかについて以下にまとめました。
怪文書に関わる可能性がある罪
- 名誉毀損罪:具体的内容で書かれており、人の社会的名誉や評価を貶めた際の罪
- 侮辱罪:具体性のないただの罵倒の内容に対する罪
- 脅迫罪:相手およびその親族らの身体や生命、財産などを傷つけるなどとほのめかした場合の罪
- 住居侵入罪・建造物侵入罪:文書を投函、または張り紙などをする際に敷地内、建物内に侵入した際の罪
- プライバシー権の侵害:相手のプライバシーを勝手に公開することに対する罪
- 肖像権侵害:写真や映像の公開、合成・加工
- 業務妨害罪:脅迫により店舗を営業できない状態にする妨害行為に対する罪
怪文書への正しい対応
怪文書を受け取った直後というのは、なかなか冷静でいることが難しいかもしれません。しかし、すぐに警察が対応してくれるとも限らないため、落ち着いて正しい対応に当たることが重要です。具体的にどのように対応していくべきか解説します。
怪文書原本の保存
怪文書の原本には犯人の証拠が残されている可能性があります。手書きであれば筆跡、指紋、郵送物であれば消印の日付や差し出し場所などです。犯人を突き止めるための手がかりや証拠となりますので、なるべく届いた時点の状態を維持して大切に保管しておいてください。触れる時には手袋を着用し、ビニール袋やクリアファイルなどに入れておくと破損や汚損を防げます。同時に①文書を受け取った日、②文書を受け取った場所(文書が貼られていた場所)、③文書の内容を記録しておくといいでしょう。これらも大切な証拠となります。
怪文書など気味が悪くて取っておきたくない、すぐに破り捨てたいと思うかもしれません。しかし、犯人につながる大切な証拠であるということは忘れないでください。いつまでも犯人が捕まらず不安な日々が続くよりは、早く犯人が逮捕・起訴・収監されて、安心した日々を取り戻したいはずです。
コピーを取っておくこともおすすめです。たとえば自分以外の誰かに怪文書の内容を確認してもらう時、コピーした文書を渡すことで原本に直接触れられないで済むこと、証拠隠滅をされないという利点があります。
犯人が近くにいることを意識する
怪文書が届くということは、犯人は自分のことを知っているということ。さらにいうと、犯人が近くで常に見張っているという可能性もあります。犯人は近くにいることを常に意識しながら行動しなければなりません。たとえば、知人と会うという場合でも、近くで犯人が見ているということもあります。あるいは、その知人が犯人とつながっている、もしくは知人が犯人であるということもあり得る話です。
また、犯人を待ち伏せして自分で捕まえようとしてはいけません。慎重な犯人ならわざわざ姿を見せないでしょう。反対に、乱暴な犯人なら暴行される危険性があります。不安な気持ちは分かりますが、解決するまでは犯人が近くにいることを意識しながら生活しましょう。
犯人が近くにいるということは、どこで犯人と遭遇するかわかりません。相談するなら知人等ではなく、家族にすることです。もし信用していた知人が犯人なら、犯人に対策や計画が漏れてしまい、その後の調査に支障をきたすことになります。さらには実家に怪文書が届くなど、家族を巻き込んでしまうケースが少なくありません。家族全員で協力して話し合い、対策を講じましょう。
さらに考えると、家族が犯人の関係者である可能性や、家族の中に犯人がいる場合もあります。あるいは、家族全員であなたに怪文書を送っている場合もなきにしもあらずです。そのため、そういった相談は探偵や弁護士など、明らかに犯人ではないと分かっている専門家が適しているでしょう。
証拠集め・犯人調査は探偵へ
まだ事件になっていない、事件性が低いという理由で警察が捜査してくれないということがあると先述しました。しかし、事件になるまで待つのは怖いうえ、不安な日々が長く続くのは精神的に疲弊します。そこでおすすめしたいのが、探偵への調査依頼です。
探偵へ依頼すれば、事件へと発展する前から証拠集めや犯人の調査をしてもらえます。
探偵ができる調査は張り込み、聞き込み、尾行などです。
まず、怪文書が郵送物なら消印の住所付近、張り紙なら貼られていた場所の近く、直接郵便受けに入れられていたなら、あなたの自宅付近で張り込みや聞き込みをします。張り込みではカメラを用いて調査し、聞き込みで情報を得て犯人を絞ります。探偵の高い技術で撮影された写真や動画は高い証拠能力をもちます。犯人を特定できれば、解決に向けた大きな一歩となるでしょう。犯人の目星がついたところで尾行調査を開始します。写真や動画などのさらに細かい証拠を集めるほか、犯行動機、所在地(住所)なども探ることができます。
それ以外の調査として、指紋鑑定、筆跡鑑定というものがあります。これらは専門的な分野であるため、別の業者に委託している探偵事務所もあります。探偵に調査依頼をする際、指紋や筆跡に関する調査が可能か聞いてみるといいでしょう。
警察への通報のタイミングと方法
通報のタイミング
「通報」と一口に言っても、実際には相談と通報に分かれるでしょう。
「被害を受けていて困っているけど、緊急度は低い(身の危険などは感じない)」場合は、まず警察に相談しましょう。最寄りの交番や警察署に行くほか、後述の警察相談専用電話もあります。
身の危険を感じた場合は、通報しましょう。一般的な110番のほか、健常者向けではありませんが後述の110番アプリシステムもあります。
通報の方法
怪文書を受け取った際、警察へどのように通報すればよいのでしょうか?
警察相談専用電話
警察への通報というと、通常は110番をイメージするでしょう。しかし、怪文書の被害相談であれば、まずは警察相談専用電話(#9110)を利用する方がよいかもしれません。この番号はもともと、ストーカーやDV、悪徳商法や近隣住民とのトラブルなど、「困っているけど緊急を要すものではない」という相談のためのものです。この番号に電話をかけると、都道府県の警察本部に直接つながるようになっています。
110番はあくまでも「今、身に危険を感じている」など緊急を要する場合に利用するものです。そうでない、相談は#9110を利用するようにしましょう。
110番(電話)
怪文書を郵便受けに入れようとして敷地内に入ってきた犯人と鉢合わせしてしまった、あるいは犯人が逆上して身に危険が及びそうといった場合は、迷わずに110番に電話してください。一刻も早く警察に来てもらうことが大切です。犯人から逃げている、犯人に襲われそうになっているなど、まともに警察と会話できない場合もあるでしょう。そういった場合は、110番に電話して通話したままにします。警察があなたと犯人の会話や、現場の状況から異変を感じてくれれば、スマートフォンのGPS機能を使って位置情報を検出し、現場に駆けつけてくれるでしょう。
110番アプリシステム
「居室内に犯人が入ってきて、怖くて隠れている」など、スマートフォンが手元にあっても会話できない(音を出せない)場合もあるでしょう。そのような場合は、110番アプリシステム(※1)を利用しましょう。このシステムはもともと、聴覚障がい者の方など電話を利用できない人に向けて開発されたもので、チャット機能を利用した通報システムです。また、スマートフォンのGPS機能を利用して現在位置の検出も可能です。
しかし、前述の通りこのシステムは電話を利用できない人のためのものです。警視庁は健常者には通常の110番の利用を求めているほか、もし利用する場合も事前登録も必要です。
※1:警視庁「110番アプリシステム」
相談したり、被害届を提出する際に準備しておくこと
警察に詳細な内容を相談する、あるいは被害届を提出する際は次のような準備をしておくとよいでしょう。
- 被害者(自分)の住所・氏名・年齢・職業
- 被害のあった日時・場所
- 被害の情報と内容
- 盗まれたものや壊されたもの(その内容と金額)
- 犯人についての情報
- 遺留品などの証拠
電話で相談する場合も、警察署に行って被害届を提出する場合も、上記のような情報が必要になります。上記のことをいきなり聞かれて、理路整然と説明するのは難しいでしょう。思い出しながら話すと、時系列が反対になったり、抜けや漏れが発生したりします。怪文書を受け取った時点で記録を取っておくことはもちろんのこと、警察で話す前には頭の中を整理しておきましょう。
怪文書の内容によっては、あなたの電話が盗聴されていたり、部屋の中に盗聴器を仕掛けられていたりするかもしれません。場合によっては、盗撮されていることもあるでしょう。そういった機器を取り付けるためには、設置場所の一部を壊さないといけない場合もあります。不自然な場所が壊れていないか確認しましょう。もし、壊されていれば購入時の金額や、分かれば現状の市場価格などを記録しておきましょう。
犯人の特徴についても、知っている情報を提供しましょう。しかし、ここで大切なのは事実とあなたの推測をはっきり分けて説明することです。両者が曖昧な状態で説明すると、あるいは曖昧な言い方になると、捜査の前提が変わってきます。事実を一通り説明してから、「これはあくまでも推測ですが……」と前置きしたうえで推測を話すようにしましょう。
また、事実については些細な情報でも話しておいた方がよいでしょう。どのような情報が犯人につながるかわかりません。
自宅に落ちていた身に覚えのないものは、念のため怪文書と一緒に保管しておきましょう。もしかすると犯人が落としていったものかもしれません。これを警察に提供するときも「もしかしたら……」と前置きしたうえで提供するようにしましょう。「これが犯人の証拠です」と事実か分からないことを断言すると、その証拠にもとづいて捜査され、たとえばその証拠に指紋がついていた人が被疑者となってしまうかもしれません。
「事実」なのか、「推測」なのか。この点を必ずはっきりさせて情報や証拠品を提供するようにしましょう。
犯人はまさか!?驚きの怪文書エピソード
ここで怪文書に悩まされた被害者のエピソードを紹介します。同じ様な目に遭わないためにも、参考にしてみてください。
大学4年生のAさん(女性)は、最近新しい彼氏と付き合い始めました。付き合って数か月は特に問題もなく過ごせましたが、半年ほどした頃に異変が起きるのです。それは、わずか半年前に付き合い始めた彼氏が、数年前の自分の情報を知っているということでした。しかも、前の彼氏と付き合っているときのものなど、かなりデリケートなものも含まれていました。
もちろん、はじめに疑ったのは元の彼氏です。今の彼氏に近付いて自分の過去の話を吹聴しているのではないかと考えました。元の彼氏に問いただしても「知らない」の一点張り。「じゃあ、今の彼氏に確認する」と今の彼氏に、元の彼氏の写真を(そうとは言わずに)確認すると、返ってきた答えは「そんな人知らない」というもの。
不審に思いながらもさらに数か月たったある日、新しい彼氏の家にAさんの恥ずかしい過去の事実が書かれた怪文書が送られてきたのです。もちろんAさんは「根も葉もない噂」と新しい彼氏に言いますが、どれも事実であることはAさん自身が一番分かっています。結局、新しい彼氏とは怪文書が原因となり、付き合って1年も立たないうちに別れることになりました。
後で知った話ですが、犯人はやはり元の彼氏だったようです。元の彼氏が新しい彼氏の知人に近づき、その知人を利用してAさんの過去の情報を流したり、怪文書を送ったりしていたとのことでした。そのため、新しい彼氏が元の彼氏を知らないのは当然で、その知人は新しい彼氏のことをよく思っておらず、元の彼氏に協力したとのことでした。
別れたころには怪文書の被害も収まっていたため、相談する機会を逃したAさん。きちんと弁護士などに相談していれば法律で守ってもらえていたかもしれません。仮に警察に相談して捜査してくれなかったとしても、探偵に調査を依頼していれば、新しい彼氏と別れずに済んだかもしれません。
怪文書に悩まされた挙げ句、新しい彼氏と別れることになってしまったAさんは、心身の状態が悪くなり、就職が決まっていた会社にも出社できない状態になってしまいました。そして今は、療養しつつ新しい仕事を探しているとのことです。恨みを持った元の彼氏が、いつかまた手紙、いや怪文書を送ってくることに怯えながら。
まとめ
怪文書=単なる一個人への嫌がらせという認識のもと、警察がすぐに捜査してくれるとは限りません。ただし、内容が明らかに脅迫文である場合や、ストーカーによる文書だと分かる場合は、警察も対応してくれるでしょう。また、あまりにも長期間届き続ける、大量に届くという場合も警察に被害届を提出して捜査してもらえます。警察が被害届を受理しない場合は、その様子を録音して弁護士に相談しましょう。自身と相手のやりとりの録音は「秘密録音」といって、無断で行っても犯罪になりません。
もし、長期間にわたって怪文書が届いて我慢できない場合や、すぐにでも証拠を集めて解決したい場合は、探偵へ調査を依頼しましょう。事件に発展する前から調査をしてもらえます。いずれにしても、怪文書の保管や、普段の生活に気を配っておくことも大切です。スムーズな事件解決のためにも、慌てず、適切に対処しましょう。
この記事の著者:探偵社PIO 調査員 Y.K
調査歴10年。
年間200件以上もの調査を行う。
関連タグ: 怪文書
探偵社PIO編集部監修
本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。