怪文書とストーカーの関係性は?隠れている危険や対処法は

自宅や職場に怪文書が届いたとしたら不安や恐怖心は計り知れませんよね。

誰かもわからない人間から脅迫のような言葉を記されて送られる、あることないこと書かれて悪評を広められる場合もありますし、自分しか知らない事や写真等を送られてきた場合、不安と気味の悪さを常に感じて生活することになってしまいますよね。

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怪文書から考えるストーカー被害

自宅に怪文書が届くということは、犯人に自分の住所が知られているということになります。

怪文書を送ってくる動機は様々ありますが、犯人がストーカーの場合、怪文書を送り付けてきている時点で自宅を監視している可能性も考えられます。

住所を知られているということは、その時点で監視されるリスクやその他の犯罪の可能性を秘めていますし、自宅や移動中に犯人が押し掛けてくる危険性もあります。

そのため、怪文書が送られてきた時点でまだ被害が無かったとしても、様々な危険性を含んでいることを理解しなければいけません。

自宅以外に怪文書が送られる場合もある

職場や実家に怪文書が送られた場合、怪文書の内容が真実でも仮に嘘の場合でも、広まってしまった噂を止める事はできませんし、関係者全員に内容が嘘であることを証明することはほぼ不可能です。

最悪の場合、今の職場で働けなくなることもありますし、社内での人間関係が壊れる可能性も充分に考えられます。

実家に送られた場合、怪文書やストーカー被害を身近な人に知られてしまい余計な心配をかけてしまいますし、実家の住所がストーカーに知られているとしたら家族や近所の人にまで害が及ぶ可能性があります。

ストーカーの動機と目的

自分自身にストーカー被害にあうような心当たりがなく、なぜ怪文書が届いたか理解できないことがストーカー被害のほとんどです。

人間は自分がわからない物事に対して不安を感じやすい生き物ですので、相手の動機や目的を知ることで少しでも不安を和らげることができます。

代表的な動機は「自己承認欲求」と「逆恨み」の二つ

怪文書を送ってくる動機の一つ目の「自己承認欲求」ですが、これは相手に対して好意を寄せているのにアプローチをかける事が出来ない人が、自分の事を認識させたいという気持ちが強くなり行動に移すというものです。

この動機の場合、被害にあっている方は相手と面識がないことが多いですし、ストーカーの犯人も大事(おおごと)になることを恐れている場合が多いそうです。

知人や面識のある人がストーカーになる場合、物事が自分の思い通りにならなかったことに対する逆恨みや、仕返しからストーカー行為をする可能性もあります。

告白して振られたことや相手に恋人がいる事に対する逆恨みからくる仕返しや、自分の思いどおりに相手を動かしたくて脅迫行為に及ぶこともあり、これが二つ目の怪文書やストーカー行為の原因になります。

怪文書やストーカー行為の目的は?

自分を意識してほしいという考えからストーカー行為を行う人は、相手が自分を意識しているのだというアクションをとることを目的として怪文書を送ります。ここでいう「相手が自分を意識しているアクション」とは怯えたり、ストーカー対策をしたりすることです。

この場合、無視したり、ストーカーの意に介さない態度をとると、更に行為がエスカレートするため注意が必要です。

妬みや恨みからくるストーカー行為の場合、単純に相手を困らせる事が目的な場合があります。

そのような場合、ストーカーの送る怪文書は個人の自宅ではなく、職場等複数人の目に付く場所に送られてくることもあります。

複数人の目に触れる事が目的のため、ストーカーは封筒等に入れずにはがきで送る等工夫して、文書が一人でも多くの目に留まるようにするストーカーもいます。

ストーカー被害にあった際の対処法

ストーカーは怪文書を送って終わりではなく、怪文書を受け取った相手の反応やその後の行動を見る為に送りつけているため、怪文書が届いた後も監視している可能性が高いと言われています。

相手の希望通りの行動をとって怪文書を気にしないようにしたとしても、相手が満足せずに行動がエスカレートする可能性は高いのです。そのため、その後の行動や防犯には注意が必要です。

前述の通り怪文書が届くということは自宅や職場もストーカーに知られていて行動範囲も把握されている可能性が高いことに注意しましょう。

個人が取るべき防犯対策

夜道の一人歩きや人通りの少ない道を歩くなど、ストーカーが接触しやすくするような行動は避けるようにしましょう。

防犯ブザーや護身術等、身を守るための準備はすることに越したことはありませんが、一番の防犯は、危険を事前に避けるための行動をとり続ける事にあります。

その為に自宅にいる時も出かける時も戸締りはしっかりと行う、自分の移動手段や通勤経路といった行動範囲は人通りの多い場所を選び、周囲の人に守ってもらえるような環境を作っておくべきでしょう。

ストーカー被害に対する取るべき対応

ストーカー被害に対する対策ですが、法律相談事務所や警察に相談して法的処置をとってもらう事をオススメします。

法律相談事務所に相談をすることで、ストーカー相手を捕まえる場合や警察に捜査を依頼する場合に、どのような証拠を集める必要があるか教えてもらえます。そのため、その後の対処を一人でするより、効率的に行動できます。

無料相談が可能な法律事務所も多いため、まずは電話で事情を伝えて必要な行動を聞き、日程を決めて相談しましょう。そして、その後の指示を仰ぎましょう。

警察は被害が出てからしか対応してくれません。そのため、怪文書だけでは捜査等の対処をしてくれる可能性は低いですが、自宅周辺のパトロールの強化などの対応をしてくれることもあります。念のため、警察に行っておきましょう。

また、警察に行ってストーカー被害や現在の状況を伝えたうえで、自身の携帯番号を知らせておくと、110番に通報した際すぐに最寄りの交番につないでくれる等の対応をしてくる場合があります。もしもの場合の迅速に対応してくれることもあるのです。

してはいけない対応

①自分一人で解決しようとする

ストーカー被害の場合、自分だけで対処しようとしてはいけません。

ストーカー行為を行っている相手は、相談できない心理や一人で抱え込む心理に付け込んで行為をエスカレートしていきます。不安や面倒な気持ちもあると思いますが、警察や法律事務所へ出来るだけ早く相談しましょう。

また信頼できる相手だからといって、友人に相談して問題を解決しようとしても、上手くいく場合は少ないかもしれません。友人もストーカー被害や法律のプロではありません。友人まで被害が広がる可能性もありますし、ストーカーの犯人に友人が暴行を加えてしまったりすると、更に問題が複雑になることがあります。

②SNSに自らの情報を投稿する

現代のストーカー被害においてSNSもチェックされている可能性が高いです。SNSを行う場合、住所や現在の行動がわかるような投稿は控えましょう。

また、ストーカー被害の対策についての投稿や、犯人の感情を逆なでするような投稿もしないほうがよいでしょう。犯人に警戒されてしまったり、犯人を刺激してしまい行動を過激にしてしまう可能性があります。

現代ではストーカーからの怪文書も自宅や職場に届くだけでなく、SNS上のメッセージ等で個人情報が送られてきたり、あるいは盗撮された私生活の写真が送られてきたりといった被害も増えています。

電話やメッセージで怪文書やストーカー被害が届いた場合も、法律事務所へ相談に行くか、最寄りの警察署に行くかして相談してください。警察へ行くとストーカーの犯人に直接電話して、ストーカー行為をやめるよう警告したり、犯人と直接やりとりをしてくれる場合もあります。

誰にも相談できないと思ってストーカー行為をしていた相手であれば、警察から連絡が来ることによって、萎縮してストーカーをやめる可能性もあります。

③ストーカー行為に反応する

ストーカー行為に対して反応したり、犯人に連絡を取ろうとしてはいけません。たとえば、犯人が怪文書を送ってきても、その時点では住所がはっきりわかっておらず、めぼしいと思う複数の住所に怪文書を送っているとします。その場合、あなたが反応すると自ら住所を教えているようなことになってしまいます。

また、犯人はあなたが何かしらの反応を示すことを期待しています。それは恐怖を感じることや不安になることだけなく、自分に連絡を取ろうとしてくることも含まれます。犯人の心理としては、自分に興味をもってくれたと思ってうれしくなるのです。しかし、実際はそのようなことはないため、犯人がそれに気付いたときに、ストーカー行為がエスカレートする恐れがあります。

④DMやSNSをブロックする

DMやSNSをブロックしたことが犯人に分かると、気持ちを逆なでしてしまうことがあります。内容を事細かに確認する必要はありませんが、受信設定だけはそのままにしておいたほうがよいかもしれません。

また、たとえインターネット上であっても送られてきたメッセージは重要な証拠になります。弁護士に依頼して弁護士権限で照会をかければ、一定期間内なら送信者が特定できることもあります。前述の通り、返信することはもちろんせず、破棄することもしてはいけません。

⑤ストーカー行為を放置する

反応しても放置してもダメなのがストーカー行為の難しいところ。犯人はどうにかあなたに振り向いてほしくて(自分に興味をもってもらいたくて)ストーカー行為を行っています。そのため、現在行っている行為に対してあなたが無反応のままいると、犯人のストーカー行為はさらにエスカレートする可能性があるのです。また、犯人はあなたが誰にも相談できずに困っている姿を見てよろこぶこともあります。そのため、あなたが困っていないと犯人の気持ちを逆なでしてしまうのです。

あなただけでは満足できず、あなたの周囲の人にもストーカー行為を行う可能性もあります。さらなる被害者を生む前に、ストーカー行為に対して毅然とした態度で適切に立ち向かうべきなのです。

⑥自ら報復措置を取る

犯人はあなたからの反応を嬉々として待っています。そのため、たとえ報復措置だとしても、犯人にとってはうれしい材料を渡すことになってしまうのです。また、いくら先に被害を受けたからといって、あなたはどのような行為に及んでも許されるわけではありません。日本は法治国家のため法律に抵触することは許されませんし、正当防衛にも限度があるためどのような行為も適法になるということはありません。

調査は探偵に、捜査は警察に、そして交渉は弁護士に任せましょう。プロに任せることが、解決へ向けた第一歩ということもあります。

⑦証拠を改ざんする

ストーカー行為をする犯人を許せない、自分一人だけの力ではどうにもできない。しかし、徹底的にこらしめたい、と思うことがあるかもしれません。捜査や交渉や警察は弁護士に任せるため、その点に関しても自分では手出しできないもどかしさがあるでしょう。

そこで、「証拠を改ざんして犯人の罪を重くする」ということを考えるかもしれません。しかし、証拠の改ざんが明るみに出れば、反対にあなたが罪に問われることになりかねません。仮に明るみに出なくても、犯人は無実の罪で裁かれることになります。つまりあなたが冤罪事件をでっちあげることになるのです。

もし、そのようなことになればあなた自身はもちろんのこと、あなたを弁護した弁護士や犯人を法で裁いた裁判官まで不利益を被る可能性があります。

相手がストーカー行為をしてきたからといって、どのような仕返しをしてもよいわけではありません。仕返しをした時点であなたもストーカーと同じ立場になってしまいます。そのような割に合わないことを考えるのはやめて、解決に向けて建設的に考えるようにしましょう。

⑧非協力的な警察の態度に諦めを感じる

警察は具体的に事件が起きないと捜査してくれません。怪文書の内容によっては対応してくれないこともあります。このようなとき、警察が動いてくれないからといって諦めてはいけません。そのようなときは探偵や弁護士に相談するようにしましょう。そして、警察とのやりとりは念のため記録(メモ、あるいは録音)しておきましょう。大きな被害が出たなど後で問題になったときに、警察の責任を少しでも追求するためです。

まとめ

怪文書等のストーカー被害に含まれる危険性や、その対処法についてご紹介させていただきました。

現代ではスマートフォンとSNSにより、個人情報や個人の行動が昔より簡単に分かってしまう時代になってしまいました。

SNSを利用する場合も、自分がストーカーの被害者になる可能性があることを念頭において、個人情報の漏洩にならないように意識して利用する必要があります。万が一ストーカー被害にあってしまった場合は、勇気をもって迅速な行動をとるようにしましょう。

専門家監修

この記事の著者:探偵社PIO 調査員 Y.K

調査歴10年。
年間200件以上もの調査を行う。

株式会社ピ・アイ・オ

探偵社PIO編集部監修

本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。

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