海外が行う反社チェックとは?その取り組みや方法を丁寧に解説します
日本国内では、反社会的勢力や関係する企業や個人などを見分けるために反社チェックを行っています。企業リスクが高まるなか、海外での反社チェックはどうなっているのか気になります。グローバルに海外に進出している企業には、積極的に反射チェックを行ってほしいものです。ここでは、海外の反社チェックについて、その取り組み方や必要性について、チェック方法などをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
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海外反社チェックの方法とは
反射チェックといえば日本では暴力団をイメージしますが、海外にもそのような反社会的勢力が存在します。また、制裁対象者と取引したら、自らも制裁されてしまうという規制もあるので注意が必要です。こちらでは、海外反社チェックを行う方法を紹介します。海外反射チェックについて考えてみましょう。
相手を特定しリストアップ
まずは、調べる対象となる相手を特定し、チェック対象の名称や氏名をリストアップします。海外信用調査レポートや、ホームページなども参考資料の一部です。そこから、商号・代表者名・役員名・株主名などを抽出します。海外反社チェックでは、相手の特定に苦慮することがあるので注意しましょう。日本のように簡単に全国的にオンラインで調べるということができる国ばかりではありません。
海外反社チェックを行う場合には、前提として基本情報を把握するために「海外信用調査書」を取得します。チェック対象としては、商号・代表者・役員はもちろん、株主も含むのがポイントです。
コンプライアンス調査でチェック
リストアップした対象を今度はコンプライアンスデータベースでチェックします。制裁・規制リストが格納されている、信用できる商用のデータにスクリーニングをかける方法です。もっとも有名で影響力の大きい制裁・規制リストとは「SDNリスト」といいます。このリストには、アメリカが安全保障上のリスクがあると指定したテロリストなどの反社会的勢力がリストアップされています。
その他に重要なのは「PEPs」リストです。こちらは、政治的な影響力が高い人物(要人)のことを指します。地位が高いほど、汚れたお金を受け取るリスクが高いと想定されています。
インターネットでも検索する
インターネットでも検索してみましょう。検索エンジンなどで検索してみます。海外取引先の反社チェックも、日本と同様にGoogle検索などのインターネット検索がおすすめです。捜査・逮捕・疑惑・噂・風評・詐欺・テロリスト・マネーロンダリングなどで検索するには効果的な方法になります。
海外反社チェックの必要性とは
探偵を副業とする場合は、注意点がいくつかあります。憧れややる気だけでエントリーをせず、実際の状況とよく照らし合わせて、慎重に判断しましょう。実際に探偵を副業とする場合の注意点を確認してみましょう。
海外反社チェックの定義について
海外反社チェックは、制裁が科せられる恐れがあるテロ組織への資金調達の関係企業や関係者を調べるための方法です。この関係企業や、関係者については、「制裁リスト」等にリストアップされています。日本で行われている「反社チェック」の海外版と考えてもいいでしょう。企業リスクの回避につながります。
海外販社チェックの必要性
日本でも投資や業務提携を国内外問わずに海外企業が関わることが多くなりました。海外企業の場合でも、日本企業と同じように取引にリスクがないかチェックするのは、管理上重要なことです。自社の取引先においては、各国の制裁リストに上がっている企業や個人に該当しないかスクリーニングすることをおすすめします。このような企業や個人は、反社会的勢力との関わり、あるいはその疑いを理由に経済制裁を受けている場合があります。
制裁リストについて
アメリカの財務省外国資産管理室(OFAC)の制裁リストや、各国の制裁リストで検索する方法があります。検索できない部分は、調査会社などのプロにお任せするのもいいでしょう。監査法人などと相談し、必要な海外反社チェックを検討してみましょう。
複数の反社チェックを利用する
数多くの反社チェックが海外でも行われるようになりました、簡略化したチェックを行うところもあるため、複数の反社チェックを受ける方がより確実な情報をゲットすることができます。予算の範囲で、できる限り多くの反射チェックを行うのも一つの手段です。
海外の反社チェックの取り組みとは
海外では、コンプライアンスリスクという取引先の適格性について、確認や管理を求められています。企業が直面するコンプライアンスリスクの現状に「知らなかった」では済まされません。そのようにならないように取り組みましょう。海外取引で求められる確認項目の内容は以下のとおりです。
- 反社会的勢力
- 制裁・公的リスト
- 金融犯罪(マネーロンダリングなど)
- 企業のネガティブな情報
- 公的要人・関係者リスト
これらの確認を怠ると、コンプライアンス問題として被害を受ける可能性があります。そして、企業の信用低下やブランドの失墜にもつながります。海外取引においては、コンプライアンスチェックサービスを利用した適格性を重視する確認を行う企業が増えています。
現在日本では、海外取引において企業調査を行い、実態確認や適格性の確認を行う日本企業が増えています。海外反社チェックでの、調査依頼のある事例の主な内容は以下のとおりです。
- 不動産の出資先・投資先
- IT関連の個人事業主
- 金融機関の海外送金
- 大手メーカーの調達先
取引していい企業・人物なのかを調べることに反社チェックを利用しています。事業環境や、取引先がグローバル化しているなか、事業者への規制も拡大し、厳格な対応が必要となっています。
反社チェックにおける国際的な基準
反社チェックにおける国際的な動向
企業のグローバル化が進む中、反社会的勢力との関係の断絶は企業にとってますます重要な課題となっています。近年、各国で反社会的勢力対策に関する法規制が強化されており、企業は国際的なコンプライアンス体制の構築が求められています。
企業が海外で事業を展開する際、現地の反社会的勢力との接点を持つリスクは高まります。また、自国内の取引先や従業員についても、多国籍化が進む中で、反社会的勢力との関係を見落とすリスクが高まっています。
このような状況を背景に、各国政府は、反社会的勢力対策に関する法整備を進めてきました。企業は、これらの法規制に基づいて、グローバルな視点から反社チェックを実施する必要に迫られているのです。
主要国の反社会的勢力対策関連法規
企業が反社会的勢力との関係を遮断するためには、主要国の関連法規を理解し、コンプライアンスを確保する必要があります。ここでは、代表的な法規制について概説します。
外国腐食行為防止法(FCPA、アメリカ)
FCPAは、アメリカ企業や米国民、あるいは米国で活動する企業が、海外で贈賄や不正な利益供与を行うことを禁止する法律です。違反すれば、巨額の罰金刑や禁固刑が科される可能性があります。
英国賄賂法(イギリス)
英国賄賂法は、英国企業や英国民、あるいは英国で事業を行う企業が、国内外で贈賄を行うことを禁止しています。法人に対しては無制限の罰金刑が科される厳しい規制となっています。
その他の国内法規
上記の法規制の他にも、日本の「暴力団排除法」、中国の「反腐敗法」、EU諸国の「汚職防止法規」など、各国で独自の反腐敗や反社会的勢力対策関連法が整備されています。企業は、事業展開する地域の法規制を十分に理解し、コンプライアンスを確保する必要があります。
FCPA(外国腐食行為防止法)の概要
FCPAは、1977年に制定された米国の法律で、企業の海外腐敗行為を規制することを目的としています。
FCPA制定の背景と目的
FCPAは、1970年代に発覚した「ウォーターゲート事件」を契機に制定されました。この事件では、企業が政治家への賄賂を行っていたことが明らかになり、企業の海外腐敗行為が社会問題化したのです。
FCPAの目的は、アメリカ企業や米国民が海外で贈賄などの不正行為を行うことを禁止し、公正な競争環境の確保と企業の健全な発展を促すことにあります。
FCPA違反の定義と罰則
FCPAでは、外国の政府関係者への「不正な利益供与」が違反行為と定義されています。これには、現金のほか、接待やギフトなども含まれます。
違反した場合、企業には1件あたり200万ドル以下の罰金刑、個人には25万ドル以下の罰金刑と禁固刑が科される可能性があります。さらに、違反企業は政府調達案件の受注資格を失う可能性もあるなど、大きな影響を受けることになります。
英国賄賂法の概要
英国賄賂法は、2011年に施行された英国の反腐敗法で、国内外での贈賄行為を禁止しています。
英国賄賂法制定の背景と目的
英国賄賂法は、企業の汚職事件を背景に制定されました。英国政府は、企業の腐敗行為を徹底的に取り締まり、公正な競争環境を確保することを目的としています。
法の適用範囲と主な規制内容
英国賄賂法は、英国企業や英国在住の個人、あるいは英国で事業を行う企業に適用されます。国内外での贈賄行為が禁止され、違反すれば無制限の罰金刑が科される厳しい内容となっています。
国際的なコンプライアンス体制の構築
企業が海外で事業を展開する上で、これらの国際法規に基づくコンプライアンス体制の構築は不可欠です。
企業の責任と義務
企業は、事業展開地域の法規制を理解し、自社の内部統制システムを整備する責任があります。贈賄防止や反社会的勢力の排除に向けた社内規程の制定、従業員教育の実施、内部通報制度の構築などが求められます。
グローバルなリスク管理体制の整備
企業はグローバルな視点から、組織全体のコンプライアンスリスクを継続的に評価・管理する体制を整備する必要があります。海外子会社の監査強化や、本社と海外拠点の情報共有体制の構築など、グローバルなガバナンス体制の整備が重要です。
このように、国際的な法規制に対応するためには、企業全体でコンプライアンス意識を共有し、組織的な取り組みを行うことが不可欠です。
反社チェックの実践
企業が国際的なコンプライアンス体制を構築する上で、特に重要なのが反社会的勢力との関係遮断です。
海外取引先の調査
新規の海外取引先を選定する際は、必ず反社会的勢力との関係の有無を確認する必要があります。公開情報の収集や、現地の情報ネットワークの活用などを通じて、取引先の属性を慎重に調査する必要があります。
国内外の法令遵守
海外取引先の調査だけでなく、国内の取引先や従業員についても、反社会的勢力との関係を継続的に確認することが重要です。各国の法規制を踏まえ、組織全体でコンプライアンス意識を共有し、リスクの低減に努める必要があります。
事例に学ぶ国際コンプライアンスの重要性
反社会的勢力への対応をめぐる具体的な事例を紹介し、国際コンプライアンスの重要性を考えてみましょう。
海外での反社会的勢力への対応事例
ある日本企業が中国で事業を展開する際、現地の取引先に反社会的勢力との関係があることが判明しました。企業は取引を即座に停止し、警察に通報しましたが、すでに脅迫を受けるなどの被害に見舞われていました。
この事例では、企業が中国の関連法規を十分に理解せずに取引を開始したため、大きなリスクに巻き込まれることになりました。グローバル化に伴い、各国の法規制に精通し、適切な反社チェックを実施することが重要であることがわかります。
国際コンプライアンス違反による影響
ある多国籍企業が、FCPAに違反する贈賄行為を行っていたことが発覚しました。その結果、企業は巨額の罰金刑を科され、さらに政府調達案件の受注資格を失うなど、深刻な影響を受けることになりました。
国際的な反社チェックの具体的なプロセス
グローバル化が進む昨今、企業がさまざまな国や地域で事業を展開するようになり、取引先の選定や管理におけるコンプライアンス強化が重要な課題となっています。特に、反社会的勢力との関わりがないことを確認することは、企業の信用や評判を守るうえで必要不可欠な対応です。
企業の沿革調査
企業との取引を検討する際は、まずは企業の沿革について詳しく調べる必要があります。企業の設立経緯、業歴、代表者や株主構成などを確認し、反社会的勢力との関わりがないかどうかをチェックします。
例えば、企業の設立時の出資者に反社会的勢力が含まれていないか、これまでの事業活動の中で反社会的勢力との関係が指摘されたことはないかなどを確認します。また、企業の代表者や役員が反社会的勢力と関係があるケースも少なくありません。そのため、これらの人物について、過去の経歴や交友関係にも注目する必要があります。
デューデリジェンスの実施
企業の基本情報を把握したら、次はデューデリジェンスを実施し、企業の実態をより詳細に分析します。財務状況、事業内容、経営戦略、リスク要因などについて、包括的な評価を行います。
反社会的勢力との関係性についても、徹底的な調査を実施します。企業の資金源や取引先、業務提携先、株主構成などを詳細に分析し、反社会的勢力との接点がないかを確認します。企業の事業活動全般にわたって、リスクの有無を見極める必要があります。
公的な制裁リストとの照合
国連安全保障理事会や各国政府が発表する制裁リストに、企業や取引先が掲載されていないかどうかを確認します。制裁対象者や団体との取引は、法的制裁の対象となる可能性があるため、必ず確認が必要です。
制裁リストは定期的に更新されているため、継続的なモニタリングも重要です。取引開始後も、定期的に制裁リストとの照合を行い、最新の情報を把握することが求められます。
ローカル情報の収集
取引先が所在する地域における最新の情報収集にも努めます。マスメディアの報道やソーシャルメディアの情報、地方自治体が発表するデータなどから、企業の実態をより正確に把握します。
反社会的勢力の動向は地域によって異なるため、所在地域におけるリスク情報を収集することが重要です。企業の評判や地域との関係性など、ローカルな視点からのアセスメントも行う必要があります。
また、ローカル情報は必ずしも表に出ているとは限りません。現地の業界関係者や弁護士など、非公開の情報を持っていそうな人物からの情報は非常に有益なものです。
トータルリスク評価と対応策の検討
上記の調査結果を総合的に勘案し、取引先に関するリスクを評価します。反社会的勢力との関係性の有無だけでなく、企業の信頼性や経営の健全性など、多角的な観点から総合的なリスク分析を行います。
調査の結果、重大なリスクが確認された場合は、取引の見直しや取引条件の変更など、適切な対応策を検討する必要があります。一方、リスクが許容範囲内であると判断された場合でも、継続的なモニタリングを実施し、状況の変化に注意を払う必要があります。
グローバル反社チェックの事例
製造業の事例
A電機は、世界各地に生産拠点を持つ大手製造業企業です。最近、新規取引先の開拓を積極的に進めており、その一環でアフリカ市場への進出を検討していました。
A電機は、新規取引先の事前調査として、まずは企業の沿革調査を実施しました。企業の設立経緯や代表者、株主構成などを詳細に確認した結果、一部の株主に反社会的勢力との関係が疑われる情報が確認されたのです。
さらにデューデリジェンスを行ったところ、その株主が資金提供を通じて企業活動に深く関与していることが明らかになりました。また、企業の取引先の中に、同様に反社会的勢力と関係のある企業が含まれていることも判明しました。
A電機は、この調査結果を踏まえ、当該企業との取引を断念しました。反社会的勢力との関わりがある企業との取引は、法的リスクや信用リスクが高いため、事業の健全性を損なう可能性が高いと判断したのです。
建設業の事例
B建設は、国内外で幅広い事業を展開する大手建設企業です。ある中東の国で大規模なインフラ工事の受注を目指していた同社は、現地パートナー企業の選定にあたり、グローバルな反社チェックを実施しました。
まず、現地パートナー企業の沿革調査を行ったところ、設立時から反社会的勢力との関係が疑われる人物が関与していることが判明しました。デューデリジェンスではさらに詳細な実態が明らかになり、企業の資金源や取引先にも反社会的勢力との接点があることが確認されたのです。
B建設は、公的な制裁リストとの照合も実施し、パートナー企業が一部の制裁対象者と関係があることを突き止めました。加えて、ローカルメディアの報道からも、パートナー企業の不正行為や汚職疑惑が浮上していることを確認しました。
これらの調査結果を総合的に勘案した結果、B建設はパートナー企業との取引を断念せざるを得ませんでした。反社会的勢力との関係や不正行為のリスクは許容できるものではなく、事業に重大な影響を及ぼす可能性が高いと判断したのです。
ITサービス業の事例
C社は、ソフトウェア開発やクラウドサービスなどのITソリューションを提供する企業です。最近、東南アジアでのサービス展開を検討しており、現地のIT企業とのパートナーシップ構築を検討していました。
C社は、新規パートナー企業の選定にあたって、まずは沿革調査を実施しました。その結果、一部の株主に反社会的勢力との関係が疑われる情報が確認されたのです。
デューデリジェンスでは、さらに詳細な実態が明らかになりました。パートナー企業の資金源や取引先、役員の経歴などを調査したところ、反社会的勢力との接点が多数確認されたのです。
加えて、公的な制裁リストとの照合でも、パートナー企業の一部役員が制裁対象者に指定されていることが判明しました。ローカルの情報収集からは、企業の不正行為や汚職疑惑も浮上してきたのです。
C社はこれらの調査結果を総合的に検討した結果、当該パートナー企業との提携を断念しました。反社会的勢力との関係や不正行為のリスクが高く、IT分野での事業展開に重大な支障をきたす可能性があると判断したのです。
まとめ
こちらの記事では、海外の反社チェックについて紹介しました。海外の反社チェックでは「制裁リスト」や「取引金利リスト」への登録の有無を、スクリーニングを行うことで確認し、公的情報検索によるチェックもあわせて行うといいでしょう。外部のデータベースを活用することがポイントです。これからも、ますます国際取引が多くなることが予想されます。反社チェックは国内だけではなく海外でもしっかりと行うことが認識できたのではないでしょうか。どうか、細心の注意を払いながら、海外の反社チェックを行ってください。もちろん英語の資料や条項を読む必要があるでしょう。
また、近年では反社チェックのツールやサービスも利用されるようになりました。反社チェックの省力化のためにダウンロード、あるいはサービス登録して利用してみてもよいでしょう。
この記事の著者:探偵社PIO 人事/労務信用調査担当 K.A
社員の不正、登用人事でのバックグラウンド調査や採用調査など人事労務に関連する調査を長年行う。
関連タグ: 信用調査
探偵社PIO編集部監修
本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。